ビッグファーマは、2020年から2022年の間に英国の医療機関に855億円を支払っている
イギリスの医療従事者、医療機関、大学、公的機関、ジャーナリスト、患者、一般人に、製薬会社からどれくらいのカネが支払われていたかが明らかになった。医療機関には3年間で約855億円も支払われている。この事情は日本をはじめ、世界各国でも同様だと思われる。興味深い。
(The Exposé の記事を翻訳編集)
毎年、英国製薬産業協会(ABPI)の会員は、医療機関に支払われた金銭を開示することが義務付けられている。データは集計され、Disclosure UKのウェブサイト で公開されている。 開示されたデータによると、製薬会社は2020年から2023年の3年間で英国の医療機関に4億400万ポンド(約855億円)を支払っており、そのうち37%にあたる1億5000万ポンド(約291億円)は、グラクソ・スミスクライン、サノフィ・アベンティス、ノバルティス、ファイザー、アストラゼネカの5つの製薬会社によって支払われている。
これらの支払いが何に関係しているかについては、研究開発活動に関連していないことを除いて、詳細はほとんどない。 以前の記事でわれわれは、アストラゼネカがテレビ局の医師に報酬を支払い、ワクチンの宣伝を行わせるとともに、ワクチンによる傷害を軽視させていたことを明らかにした。おそらく、グラクソ・スミスクラインも同じように、「疾病の啓発 」のためにジャーナリストたちに報酬を支払っているのだろう。
医療従事者への支払いのトップはアストラゼネカ(&オックスフォード大学)、医療機関への支払額のトップはGSK
製薬会社は、2020年から2023年までの3年間で、合計で4億370万ポンド(約850億円)を医療機関に支払っており、そのうち約3億3850万ポンド(約660億円)がわずか20社の製薬会社から支払われている。以下に、最大値から最小値にソートされた完全なリストのPDFを添付し、その後に最大の支払いを行った20社のリストを添付した(註:2位に英国中外製薬 がランクインしている)。
https://expose-news.com/wp-content/uploads/2024/05/Money-given-by-pharma-to-UK-healthcare-organisations-2020-2023.pdf
2020年から2023年の間に医療従事者への支払い額が最も多かったのはアストラゼネカで、グラクソ・スミスクライン(GSK)がそれに続いた。アストラゼネカは医療機関のリストのトップではないが、5位にランクインしている。医療機関のリストのトップはGSKだ。
2020 年から 2023 年までの製薬会社から英国の医療機関 への研究開発以外の価値移転
2020 年から 2023 年までの製薬会社から英国の医療機関 への研究開発以外の価値移転
名門大学、公的機関への支払いも
2022年にGSKが医療機関に支払った1,250万ドル(約24億円)のうち、960万ポンド(77%、約19億円)が20の機関に支払われ、キングス・カレッジ・ロンドン (註:イギリス・ロンドンの国立大学でロンドン大学の加盟校。日本ではロンドン大学キングス・カレッジとも呼ばれる。14名のノーベル賞受賞者を輩出している名門校)が圧倒的に最大の受益者だった。 上位 20 件の受益者の下の画像では、イングランド公衆衛生局 (Public Health England)と国立医療技術評価機構 (NICE) への支払いに注意を向けて欲しい。
イングランド公衆衛生局は、英国健康安全保障庁(UKHSA)と健康改善・格差局に置き換えられた。NICEは、2020年のいわゆるコロナ・パンデミックの際に高齢者を殺すために使用されたガイドラインNG163を発行した。
キングス・カレッジ・ロンドンへのGSKの支払い
Disclosure UKのウェブサイトで「キングス・カレッジ・ロンドン」を検索すると、いくつかの医療機関または「機関名」が返される。これは、キングスには複数の場所、つまり住所があるためだ。例えば、GSKからの240万ポンドは、ロンドンのストランドの住所に支払われた。 キングスの全拠点のすべての製薬会社から合計で、この機関は 2022 年に 296 万ポンド(約5億7千万円)を受け取った。
下表の最後の行に見られるように、キングス・カレッジ・ロンドンへの支払いも2022年に劇的に増加しており、GSKとキングス・カレッジ・ロンドンのコラボレーションが単なる研究開発以上のものであることを示唆している。
価格移転カテゴリ
2020
2021
2022
GSKが支払った総額
医療機関(「HCO」)
18,947,181
14,022,380
12,463,639
45,433,200
医療従事者(「HCP」)およびその他の関連する意思決定者
1,408,434
2,411,218
2,194,377
6,014,029
研究開発の集約
17,401,326
16,572,567
29,502,980
63,476,873
GSKが支払った総額
37,756,941
33,006,164
44,160,996
114,924,102
GSKがキングス・カレッジ・ロンドンに支払った金額(上記のHCOの金額に含む)
196,483
816,795
2,959,951
3,973,229
出典:https://search.disclosureuk.org.uk/Public/DownloadFullDataSet
英国の患者、ジャーナリスト、一般市民へのGSKの支払い
2022年のデータから、ABPIは製薬会社に対し個人を名指しすることなく、特定の一般市民との関係に関する集計情報を自社のウェブサイトで公開することを義務付けている。
2022年、GSKは特定の契約サービスに対して以下を支払った。 広告委員会、臨床画像サポート、文献レビュー、統計コンサルタント、技術コンサルタントとポリシーのために、199人の一般市民に488,000ポンド(約9500万円)。 講演者の関与、患者の話、患者諮問委員会のために59人の患者に19,000ポンド(約370万円)。そして「疾病の啓発」のために33,000ポンド(約640万円)を3人のジャーナリストに。 ジャーナリストの名前と、彼らがどの病気に対する意識を高めているのかを知ることは興味深いことだが、残念ながら、この情報はABPIによって要求されていないため、提供されていない。
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