トップシークレット:ネタニヤフ首相、2018年の書簡でカタールにハマスへの資金提供を要請

 

トップシークレット:ネタニヤフ首相、2018年の書簡でカタールにハマスへの資金提供を要請

左からベンヤミン・ネタニヤフ首相、シェイク・ムハンマド・タニ、ヤヒヤ・シンワ

YNETNEWS.COM

 

少数の人々だけが閲覧できた書簡の中で首相は、ハマスへの資金提供が地域の安定を維持し人道危機を回避できると主張し、ドーハに対しガザに毎月3000万ドル(約45億円)を届けるよう要請した。

 

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、2018年にカタールの指導部に送られその後ごく少数の人しか見ることができなかった秘密書簡の中で、カタール政府にガザへの送金を継続するよう求めた。その手紙の中でネタニヤフ首相は、資金提供はガザのテロ集団の攻撃意欲を減退させ、人道危機を防ぎ、地域の安定を維持するために不可欠であると説明している。

2014年のガザ紛争後すぐ、米国、国連、イスラエル、カタールはドーハが毎月3000万ドルを沿岸部に提供する新しいシステムを構築することを決定

 

ハマスが取るに足らないテロ組織から、大隊、地下トンネル網、小軍隊並みの火力を持つ軍事帝国に成長するのを許したカタールのガザ地区への資金提供には、2つの異なる時期がある。

2007年から2014年にかけて、カタールは国際的な監視や審査から逃れ、ハマスに資金を提供した。
2014年のガザ紛争が転機となった。米国、国連、イスラエル、カタールは戦争後すぐに、ドーハが毎月3000万ドルを沿岸部に提供する新しいシステムを構築することを決定した。そのうちの1000万ドルは、ガザの発電所の運営に必要な燃料をイスラエルから購入するため、1000万ドルは政府職員の給与を支払うため、そして最後の1000万ドルは、困窮している約10万世帯のガザ住民に100ドルずつ支給されることになっていた。 
ハマスが統治と経済的資産を蓄積しさえすれば、イスラエルを破壊する意図から手を引くだろうという考えがイスラエルに根付いたのはその頃だ。 
2018年まで、カタールの資金は定期的にガザに提供されることはなく、イスラエルとパレスチナ自治政府の承認を得て、時折提供されるだけだった。「パレスチナ自治政府はもはやハマスへの資金提供には同意しないといい、イスラエルはテロ集団を崩壊させるるのではなく、資金提供のための代替ルートを決定したのだ」と、2016年までテロ資金との闘いを担当するモサド当局者だったウディ・レヴィ博士はいう。「それはイスラエルの静寂を買う政策の一環だった。ハマスが要求したのは、毎月3000万ドルを支配派閥に直接渡すことだった。ハマスがガザの住民に資金を提供すると信じるのはナイーブだった

ガザ北部で発見されたハマスの巨大トンネルに入るIDF兵士

世界最大のテロ資金国家カタールの懸念に安心を与えたのはアメリカだった

今となっては、カタールがこの新しい取り決めを好ましく思っていなかったことは明らかだ。「彼らは当時も今も、二重の駆け引きを続けている」とレヴィはいう。「私たちは世界最大のテロ資金提供国について話しているわけだが、2018年にそのカタールは、テロ組織に指定されたハマスに資金を提供することで、国際機関との間に問題が生じることを懸念していた」。
一方、2018年11月、当時のアビグドル・リバーマン国防相は、ガザの停戦をめぐって政府に抗議し辞任した。リバーマンは「われわれは一方で、テロリストに資金を提供しているとして、PAから資金を差し止める法律を可決し、他方でガザのテロリストに資金が流れるのを許している。資金の行き先を監視しているという人は、控えめに言っても不正確だ」といった。
ネタニヤフ首相はカタールの苦境を理解し、ドーハに緊急の書簡を送った。
「取引を成立させるためには、アメリカが必要だという意識があった」とレヴィはいう。  
ドナルド・トランプ再選キャンペーンの財務責任者で、ユダヤ人であるスティーブ・ムニューシン米財務長官(当時)は、ネタニヤフ首相の要請に同意し、今度はワシントンからドーハに追加の書簡を送り、事実上、ハマスへの資金提供がテロへの資金提供とは見なされないことをカタールに保証した。
レヴィは、2001年から2016年の間、テロ資金に対する金融戦争を仕切っていたにもかかわらず、ハマスへの資金移動について政治指導部から相談されたことは一度もなかったと説明する。「アリエル・シャロン政権やエフード・オルメルト政権とは異なり、ネタニヤフ首相の直属政権であったにもかかわらず、ネタニヤフ首相は私に相談しなかった」。「私はもちろん、2018年以前からカタールの資金をハマスに送金することに強く反対していたが、ネタニヤフ首相はそのことに関心を示さなかった」。 

スティーブ・ムニューシン米財務長官(当時)とベンヤミン・ネタニヤフ首相

結局、ネタニヤフ首相とムニューシンからの手紙はカタール側を満足させ、2014年11月8日に現金での最初の支払いが行われた。
首相官邸はこの件に関するコメントの要請には応じなかった。

(翻訳は以上)

 

こんな記事が出るところを見ると、ネタニヤフ政権の終わりは近いようだ。