Book Review :プーチンの復讐と第三次世界大戦序曲

「プーチンの復讐と第三次世界大戦序曲」

 

「ヒトラーの正体」「ムッソリーニの正体」「スターリンの正体」とここ数年、独裁者についての本を出してきた舛添要一が、「プーチンの復讐と第三次世界大戦序曲」を上梓した。

本書の目的は、プーチンという政治家を知り理解することと、ロシア文明が生んだプーチンという政治家をロシア史の文脈の中に位置づけることだ。

著者はまえがきでこう述べる。

一方の陣営からの情報が100%正しく、他方の陣営の情報が100%間違っているということはまずない。ところが日本では、ロシアによる侵略に悲憤慷慨するあまり、ロシアが発信する情報は100%嘘で、ウクライナ発の情報が100%正確だと信じている人が圧倒的多数である。それは、ロシアの嘘のつき方があまりにも稚拙であることにもよっているが、日本人のナイーブさは度を越している。(9頁)

著者は本書で初めて、外国の諜報機関で働いたことがあることを明かしている。

著者のいうとおり、交戦国のどちらか一方が100%正しいということはあり得ない。
今の時代、一般人であろうとも、当事者のウクライナ/西側諸国やロシアのニュースメディアだけでなく、第三者の立場で書かれている記事も読むことができる。それらから仮説を立てて、自分で考え、そして検証することが必要だ。生き延びるためにも。