ウクライナ戦争停戦への動き:Politico、ゼレンスキーのロシアとの会談準備とNATO内の亀裂を指摘

 

ウクライナ戦争停戦への動き:Politico、ゼレンスキーのロシアとの会談準備とNATO内の亀裂を指摘

トルコのコラムニストによると、"米国は以前ほど同盟国に影響力を持たず、敵対国やライバルを封じ込める効果もない "という。

ゼレンスキーはプーチンとの会談に向かう

 

ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアとの交渉の準備をしていることは、NATO北大西洋条約機構)の分裂を示していると、トルコの野党クムフリイェト紙のコラムニストであるバリス・ドスターは述べている。

「ついに、予想されていたことが起こった。アメリカの主流メディアがすでにこの数日間報じているように、ウクライナをロシアとの交渉に戻すためのアメリカの圧力は結果を出した。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアとの会談にオープンであり、そのためのいくつかの条件を提示していると述べた。この声明は、最前線でのウクライナの状況の見解を与えるだけでなく、北大西洋同盟内の分裂も示している」

アメリカにはもうかつてのような力はない。ドイツは中露との関係を改善。

彼によると、「米国は以前のように同盟国にかつてのような影響力を持たず、敵やライバルを封じ込めるのに効果的ではない」。「ウクライナとロシアの間の戦争は、これを再び示した。ドイツは、米国の反対にもかかわらず、ロシアと中国との関係を改善するつもりだ。北朝鮮からイラン、シリアからキューバまで、多くの国が米国に抵抗している。上海協力機構(SCO)は拡大している。一帯一路構想が展開している。石油生産をめぐる米国とサウジアラビアの間の緊張関係と、それらが引き起こした否定的な反応はよく知られている。オランダがロシアに対する制裁を解除したことを忘れてはいけない」とコラムニストは付け加えた。

彼はまた、「米国には世界に秩序を押し付け、新しいルールを導入する力はない」と述べている。「[米国の国家安全保障]ドクトリンはあまりにも主観的で、利己的すぎ、見下しすぎたのだ」とドスターは説明した。

出典:Barış Doster : Ukrayna’nın kararı ve Atlantik’teki çatlak (cumhuriyet.com.tr)

キエフの姿勢の軟化


8日に、ポリティコは、米国政府がゼレンスキーに、ロシアのプーチン大統領との会談の不可能性に関する規定を、対話を開始するための前提条件のリストから削除するよう促したと報じた。ポリティコは、月曜日に、ゼレンスキーがモスクワとの会談を開始するための5つの条件をあげたが、その中にはプーチンとの交渉の不可能性を含まれてなかったと述べた。ポリティコによると、この新しいスタンスは「バイデン政権による柔らかな肘つきに直接起因していた」とのことだ。

Zelenskyy: Talks with Russia possible on Ukraine’s terms - POLITICO


この変更は、ホワイトハウスの国家安全保障問題担当大統領補佐官であるジェイク・サリバンによるウクライナ訪問中を含め、キエフとワシントンの間の長い会談の後に起こったと述べている。ポリティコは、米国当局はゼレンスキーに彼の立場を直接変えるように頼んだのではなく、キエフが紛争を平和的に終わらせる意欲を世界に示す必要があることを伝えたと言う。そうは言いながらも、ワシントンは交渉がすぐに始まるべきではないと考えている。面倒くさい国だ。

参考記事:サリバン米大統領補佐官、プーチン氏側近と極秘協議していた - WSJ

以前、ロシアのラブロフ外相は、ロシアの指導部はウクライナに関する交渉を継続する準備ができていると述べた。彼は、ロシアがモスクワの利益を考慮に入れて緊張緩和に関する対話を組織する提案を提出した場合、ロシアは西側の同僚に耳を傾ける準備ができていると述べた。

参考記事:ワシントンポスト紙 11月16日付記事

U.S. privately asks Ukraine to show it’s open to negotiate with Russia - The Washington Post

ドイツだけでなくEUもロシアとの合意に達した。

 

ロシア国防省は11日、ウクライナ南部の戦略的要衝・ヘルソン市からの撤退を完了したと発表した。これはこれはドイツのみならず、EUがロシアとの合意に達したためだ。つまり、ドニエプル川東岸まではロシア領になる可能性が高い。

ロシア、ヘルソン撤退完了を発表 ドニエプル川の橋爆破か|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト