偽のオルタナティブメディアと哀れな救世主イーロン・マスク(上)

 

偽のオルタナティブメディアと哀れな救世主イーロン・マスク(上)

RICHARD WILLETT

 

疲れたオルタナティブ・メディアは救世主を求めたが、現れたのはトランプとマスクだった

誰にでも限界はあるし、日々の生活の中でどんな戦いを選んだとしても、その過程で消耗し、疲れてしまうものだ。
だから、「オルタナティブ・メディア(代替メディア)」と呼ばれる人たちの多くが、近年、自分たちのワゴンを引いてくれる救世主を探していたとしても不思議ではない。
まず、キリスト教のシオニストで、ロスチャイルド家とトンネル掘りのメシア教団チャバド・ルバビッチの両方の友人であるドナルド・トランプが「ホワイトハット(白い帽子)」をかぶって街に駆けつけ、窮地を救って「沼の水を抜く(Drain The Swamp)」と説くQとQアノン運動があった。

 

それが実現しなかったとき、不運にも1月6日の心理戦争作戦(サイオプ)の罠にはまった人々には、塞がなければならない巨大な救世主サイズの穴が残された。

トランプが座っていた「救世主」の席が空になったことで(バイデンが米国を屈服させるのに、少なくとも4年間という十分な時間が残されていた)、代替メディアの救世主の必要性が生まれた。
そのとき救世主を求める埃の舞う町に沈む夕日のように、ヨセフの新たな救世主、イーロン・マスクが闊歩した。 イーロンは、第 3 神殿の建設と地球を第 5 惑星火星に併合するのを手伝うという約束を掲げ、赤い雌牛に乗って到着した。 ナチス親衛隊の科学者ワーナー・フォン・ブラウンが小説「プロジェクト・マーズ」で予言した通りだ(註:イーロン・マスクの父親はこのブラウン博士だといわれている)

本に登場しているバロンとイーロン

人類を火星に連れて行ったフォン・ブラウンの本の登場人物は、まさにイーロンという名前だった。
リトル・バロンという子供が世界中を旅して、「奇妙な地下文明」を含むさまざまな「新しい種族」に出会うという物語を描いた一連の児童書である「リトル・バロン・トランプの旅と冒険」という本がある。イーロンの話はちょうど、ドナルド・トランプ(ドランプフ、Drumpf)が彼の息子バロンを経由して架空の小説とつながっているのと同じだ。

バロンと「リトル・トランプの旅と冒険」

もしかしたら、その地下文明はイーロン・マスクスのボーリング会社を使って地下都市を作ったのかもしれない!(もちろん冗談だ。だが、すべてつながっているのだ)

 

しかし「それはただの偶然だ、心配いらない」?

イーロン・マスクのバックストーリーは20年以上にわたって詳しく取り上げられているため、ここでは触れないが、文脈を理解するためにここでいくつかの注目すべき点を強調する必要があると思う。

まず最初に、イーロン・マスクは、母親のガレージで宇宙ロケットをセロテープで作ったような、技術的な才能のある神童として登場したわけではない。ビル・ゲイツと同様、彼は生涯を通じてこの役割のために育てられたのだ。
 彼の祖父は「テクノクラシー・インク」と呼ばれるテクノクラシー・カルトの創設メンバーで、その中心的な目的は、貨幣制度を「エネルギー価値理論」に置き換えることだった。これは、製品を生産するのにどれだけのエネルギーが必要かによって、あなたのエネルギーが評価されるシステムをあらわすオーウェルの言葉だ。

 

ジョージ・オーウェル著「1984

 

)に続く