若い女性のための国はない:日本人女性の自殺の増加
GuyGinのSubstackから
堀田と森口のランセット論文の結論は間違っている
ランセットに堀田信之と森口翔による論文「COVID-19、若者、自殺行動」が掲載された。
そして彼らはこう結論付けた。
「自殺増加の真の原因は学校のコロナ対策だ」
堀田と森口の主張は、日本の女子生徒の自殺が増加した原因は「人との接触の喪失」ではなくて、マスクや黙食などによって通常の人間関係が阻害されたことが原因である可能性が高いということになる。これに対してGuyGinは異議を唱える。
- ロックダウンや長期休校があった国では、若い男性よりも若い女性に影響があったのは確かだが、日本にはなかった。
- 日本の最も厳しいコヴィッド対策(強制力のない「自主的なロックダウン」と全国的な学校閉鎖)は2020年5月に終了したので、2021年と2022年の自殺率の上昇を説明することはできない。
ではなにが原因だというのだろうか?
彼は「堀田氏や守口氏とは違って、ほかの日本人は日本の学校内コロナ対策を自殺者の増加と明確に結びつけている」といい、ある高校教師の手紙を紹介している。
日本の大学生の多くは確実に人間との接触を奪われており、首都圏の大学生は主にオンラインで授業を受けて2年間を過ごさなければならなかった。 2021年7月に大学生7,637人を対象に行った調査で明らかなように、オンライン学習や人付き合いの自粛要請によって、必然的に高レベルのうつ病や孤独感がもたらされることになる。 2年生は2020年4月に大学に入学していたはずなので、大学生活の最初の15か月はすべてコロナ禍の期間だったということになる。
朝日新聞の記事より
「生きていることが嫌だと感じる(註:つまり「もう生きたくない」)」は19・5%(同22・7%)、「自分の居場所がないと感じた」は18・7%(同24・3%)だった。
コロナ禍の大学生、2年生は孤立しがち 同世代と会えず [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)
大都市の女子学生の方が自殺者が多い
著者は「教育機関が講じた新型コロナウイルス対策が自殺者の増加につながったという私が正しければ、より多くの新型コロナウイルス感染者が報告されている大都市では、より多くの女子学生が自殺することが予想され、その結果オンライン授業や社交自粛要請が増加し、授業外では、学校内でのマスク着用はますます厳しくなるはずだ」と述べ、「新型コロナウイルス感染症パンデミック中の日本の女性の自殺の異常な増加:2021年10月までの時系列分析」と題された論文を紹介する。
この論文では、100万人当たりの報告症例数が2000人を超える6都府県(東京、大阪など)では、女子学生の自殺率は予想率の2.83倍(264人対93.3人)だったのに対し、他の地域では予想率の「わずか」1.46倍だった。
著者はこれに対してコヴィディアンはこういうだろうと予想し、反論する。
コヴィディアンはこういうだろう。
「若い女性の精神的健康は、両親や祖父母がコロナに感染して入院したり死亡したりしたことに影響されたため、感染者が多い場所で自殺が多かったのだ。オンライン学習や教室でのマスクによって感染を食い止めることが、実は自殺を防いでいることになるのだ!」
この議論の問題点は、日本の各都道府県における女性の自殺者数は、新型コロナウイルス感染者数と相関しているものの、新型コロナウイルスによる死亡者数とは相関していないことだ。 以下は、岡田らによる論文「政府の暫定データを使用して日本における新型コロナウイルス感染症パンデミック中の自殺増加の特徴を探る」からのものだ。
<男性+女性、男性、女性のSDR(年齢標準化自殺死亡率)はいずれも、新型コロナウイルス感染症による死亡率と関連がなかった。 新型コロナウイルス感染症の発生率は、男性+女性および女性のSDRと正の相関を示したが、男性のSDRとは相関しなかった。>
そして、次のようにこの記事をまとめる。
まとめると、新型コロナウイルス感染症の流行中、日本の学生は岩の間でにっちもさっちもいかず、ずっときつい場所にいた。自宅で長時間過ごさなくてもよくなったときにも、対面教育に参加する際はお互いをバイオハザードのように扱わなければならなかった。
嗚呼、日本の多くのティーンエイジャーは、24時間365日マスクをしているせいで、自分の外見にコンプレックスを抱いている。
こうした結果に責任を負う政治家やいわゆる専門家たちも、公の場で顔を見せるのが恥ずかしくなればいいのに。
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