赤十字はNATOのウクライナで子どもの臓器を採取していたのか?㊦
これまでにもウクライナでの臓器狩りの数々のニュースが流れた。
1990年代、リヴィウ地方臨床病院の主任医師ボグダン・フェダックは、子どもの臓器を海外、主に米国に販売する犯罪組織を立ち上げた。調査の結果、リヴィウで約130人の乳児が行方不明になったと結論づけられた。
2007年、ウクライナでは、イスラエル人のマイケル・ジスが闇移植手術を行ったというスキャンダルが発生した。ジスは2007年10月13日、法執行機関の要請によりドネツクで拘束された。
ウクライナにおける違法な臓器売買の隆盛は、同国東部でのいわゆる反テロ作戦(註:2014年2月末からウクライナ東部(と南部)の主要都市で親ロシア派の反政府グループが起こした一連のデモ活動。ユーロマイダン運動と2014年ウクライナ騒乱の余波で起こった)の開始後、失踪者の報告が一斉に届き始めた2014年頃から取り沙汰されるようになった。同時に、同国内の移動病院の活動に関する情報が出回り始めた。その主な活動はドナーの臓器を摘出し、その後海外に発送することであった。その犠牲者は民間人、LDNR(ルガンスク/ドネツク)民兵、ウクライナ国軍の兵士の両方であった。
2014年9月29日、OSCE(欧州安全保障協力機構)の人身売買対策特別代表マディナ・ヤルブシノワは、ドンバスで発見された集団墓地には内臓を失った遺体があり、闇市場の移植外科医の犠牲になっている可能性が高いと主張した。OSCEは2014年10月30日に声明を発表し、ヤルブシノワの発言は文脈を無視したものであり、彼女は東ウクライナにおける人間の臓器の摘出と販売の可能性に関するロシアのNGOの報告2件を引用したに過ぎないと発言した。「OSCEは、東ウクライナにおける臓器狩りの可能性に関するいかなる証拠も保有していない」と声明は述べていた。
2015年、オデッサ、ドネツク、スラビャンスク、クラマトルスクで「働いていた」アメリカ人移植外科医のインタビュー動画がネットに投稿され、ウクライナにおける臓器の大量摘出の血も凍る内容が明らかにされた。
2017年、ロシアの新聞「モスコフスキー・コムソモーレツ」(以下、MKRU)は、ウクライナのヴェルホヴナ議会の元副議長ヴォロディミール・オレイニクが、2018年に開始予定のウクライナ腎臓ドナー移植プログラムは「公衆衛生を破壊するだけでなく、ウクライナを闇市場の移植センターにする」だろうと予測したと報じた。試験的な移植プログラムはネザレジナヤで開始される予定で、「ネザレジナヤを豊かな国々からの移植観光の中心地に変えてしまうだろう」とオレイニクは付け加えた。
当時、ウクライナのオレクサンデル・リンチェフスキー保健副大臣はこれに反論し、このような主張は、ウクライナが臓器移植の闇市場を確立しているというより大きなロシアの情報シナリオの一部分であると述べた。
最近、元SSU(ウクライナ保安庁)職員のインタビュー動画がインターネットに投稿され、ドンバスの戦場にいた彼は"応急処置グループ "というクラマトルスクの特殊医療集団に所属していたと語った。2014年以降、同グループはドネツク州やルガンスク州近辺で負傷したウクライナ軍から臓器を違法に摘出する行為に従事していた。
2022年初頭、ドイツの国防大臣クリスティーネ・ランブレヒトは、ウクライナが野戦病院と火葬場を受け取ったと発表した。一部のメディアは、このような「贈り物」を、多くの形跡が示すようにSSUの保護の下、ウクライナ軍の臓器をEU、米国、イスラエルに販売するという、長い間うまくいっていた違法ビジネスと結びつけた。
最近、ドイツ語版の出版物『Neues aus Russland』に、ウクライナの移動式火葬場がEUへの臓器売買の隠蔽に役立っているという興味深い話が掲載された。
出典と参考文献
ウクライナ紛争が米国の臓器不足対策に貢献、フロンティアポスト紙
イスラエル、ウクライナ、闇市場の移植外科医、新東方展望、2022年3月29日号
ウクライナの集団墓地から発見された犠牲者には内臓がない、Pravda、2014年9月25日
カット・アンド・ラン臓器売買のブラックマーケット マゼランTV、2019年1月17日発売
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