毎日新聞スクープ:旧統一教会教祖の発言録が流出 「安倍派を中心に」浮かぶ政界工作
毎日新聞記事より引用。
<世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。
約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。>
<今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。>
毎日新聞のこのスクープ記事の要点まとめ。
- 韓国語版のみ全615巻の発言録「文鮮明先生マルスム(御言)選集」468巻264ページの記述によると、文氏は04年9月16日の説教の中で「岸首相(の時)から私が(日本の政界に)手を出した」と振り返り、自ら岸氏に接近したことを示唆した。
- これに続けて「中曽根の時に130人の国会議員を当選させた」とも語った。
- 文鮮明は1989年7月4日、日本の政治をテーマに韓国で行った説教の中で「国会議員との関係強化」に言及し「そのようにして、国会内で教会をつくる」「そこで原理を教育することなどで、全てのことが可能になる」と語った。
- 加えて「国会議員の秘書を輩出する」「体制の形成を国会内を中心としてやる。そのような組織体制を整えなければならないだろう」
- 「そして、自民党の安倍派などを中心にして、クボキ(日本の教団本体と勝共連合で初代会長を務めた久保木修己氏を指すとみられる)を中心に超党派的にそうした議員たちを結成し、その数を徐々に増やしていかないといけない」と語った。
- 「行動結束と挙国だ。挙国とは国を挙げて一致団結することだ」「日本の中央の国会議員たちだけではなく、地方もそうだ。地方には皆さんがいるよね? 分かるだろ?」と地方政界にも言及。
続報 :11月7日付記事
- 安倍晋三元首相が2006年に第1次政権の首相に就任した1週間後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明紙が安倍氏の「秘書室長」と面会するよう信者に指示していた。
- この「秘書室長」の名前はナカガワ。自民党幹事長(Secretary-General)を「秘書(Secretary)」の「トップ(General)」と解して「秘書室長」と呼んでいるとすれば、該当者がいる。
- 当時、自民党幹事長を務めていた中川秀直氏(清和会出身)だ。
続報:11月11日付記事
日本を「資金源」とみなす姿浮かぶ
- 文氏は98年3月29日に韓国内で行った説教で「日本に1200兆が貯金されているそうだ。その1000分の1を使いたいか。100分の1を使いたいか。いくら使いたいか」と信者に問いかけた。
- さらに文氏は、教団が日本を指す時に使っていた「エバ国家」に触れ「すでにエバ国家がお金を貯金している。それは誰のためのものか? 皆さんのためのものだ。統一教会のメンバーたちのために……」などと語った。
続けて北朝鮮の景勝地・金剛山開発に言及
- 文氏は「日本人が投資したということにして、金剛山も開発しようと待っている」「すべてのことが日本のためなのだ」と語った。
教団は否定するも、日本を従属的立場に
- 教団が日本を「資金源」とみなしてきた背景には、その教義があるとされる。
- 教義は、韓国と日本の関係をキリスト教の旧約聖書に描かれたアダムとエバの物語になぞらえる。過去に「アダム国家」の韓国を侵略した日本は「エバ国家」の立場にあり、その償いとして韓国に奉仕する責任があるという主張だ。
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文氏は「母親(日本)は世界の息子、娘(外国)を育てなければならない。だから、日本の女性たちは全て、みんな犠牲にしてでも、世界の息子、娘たちを再教育しなければならない。そうすれば、日本は滅びない」と述べ、日本の犠牲を口にした。さらに、「統一教会の重要なメンバーだ。日本の人々は」としながらも「汗と涙と血を流せ」と語った。
先祖から引き継いだ預金通帳を私のケットに入れろ
- 文氏「先祖から引き継いだ貯金通帳を入れてほしい。そのようにできるという決心をしているか、日本の女性たち?」
- 「先祖から受け継いだ貯金通帳を納めなければ彼ら(先祖)を救うことはできない」「先祖も『ああ、(献金によって)親族まで祝福を受けられるようにしたい』と思うのだ」
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