ブレトンウッズⅢへ ── 世界は新しい経済体制に移行した

 

ブレトンウッズⅢ へ ── 世界は新しい経済体制に移行した

新しい世界通貨秩序が生まれつつある:クレディ・スイスのストラテジスト

 

かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、現在はクレディ・スイスの短期金利ストラテジストを務めるゾルタン・ポズサー(Zoltan Pozsar)が、「マネー、コモディティ、ブレトン・ウッズⅢ」というレポートを3月に発表し、アメリカは今、新しい世界通貨秩序につながるコモディティ危機の中にあり、最終的には現在のドル基軸の金融システムは弱体化し、欧米でのインフレ率上昇を招くと書いた。

この危機は、1971年のニクソンショック以降、我々が経験してきたものとは異なる

 

ブレトン・ウッズ協定は第二次世界大戦後半に結ばれたもので、ゴールド1オンスを35ドルと定め、さらに他国の通貨を米ドルに対して固定した。しかし、1960年代に入るとアメリカの貿易赤字が深刻化し、この仕組み  ──  いわゆる「ブレトン・ウッズ体制」は破綻し始め、1971年にニクソン大統領がドルとゴールドの交換を停止したことで、完全に崩壊した(ニクソン・ショック)。

初期のブレトン・ウッズ時代(1944~1971年)がゴールド、「ブレトン・ウッズ2」時代(1971年~現在)が「インサイド・マネー」(米ドル)に裏付けられたとすれば、「ブレトン・ウッズ3」時代は「アウトサイド・マネー」(マネー以外のゴールドや他のコモディティ)に裏付けられるものになる、とポズサーはいう。

コモディティが抵当になり、抵当がすなわち通貨の役割をするということで、外部通貨が内部通貨よりも魅力を増し続けることによる誘発される危機だ。

G7がロシアの外貨準備を凍結したときにブレトン・ウッズ2体制は終わった。

 

「ブレトン・ウッズ2」は内部通貨の基礎の上にあるが、G7がロシアの外貨準備を凍結した時、その基礎は崩壊してしまったのだ。

外貨準備という、いわばリスクフリーと考えられていたものがそうではなくなり、存在しなかった信用リスクがきわめて現実的な没収リスクにこのとき置き換わった。

影響は中国にも及ぶ。ポズサーは、中国人民銀行は2つの選択肢に直面しているという。つまり、国債を売ってロシアのコモディティを買うか、あるいは、独自の量的緩和で人民元の発行量を増やし、ロシアのコモディティを買うかだ。どちらのシナリオも欧米での金利上昇とインフレ率の上昇を意味するという。

ポズサーはビットコイン(BTC)について「それがまだ存在する場合」恩恵を受けると予想している。つまり、ビットコインはなくなる可能性が高いということだ。

 

アメリカ一極から多極時代へ。

愚かにもG7は自らの手で自分たちの時代の幕を下ろした。ウクライナのゼレンスキーを操っているのはアメリカであり、報道管制された日本や欧米の主流メディアではあたかもウクライナが勝っているかのような報道が続いている。だが、田中宇氏の5月3日付の「ウソだらけのウクライナ戦争」にもあるように、実際にはロシアが勝つ。それはまたディープステイトが敗北するということだ。

アメリカ一極時代から多極時代へ移行する。

人びとは新型コロナウイルスとワクチンで大きく騙されたが、このロシアーウクライナ戦争でもまた大きく騙されている。

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