サウジアラビア、アメリカとの50年間の石油ドル契約を終了

サウジアラビア、アメリカとの50年間の石油ドル契約を終了

半世紀続いた石油ドル体制が終わりを迎えた

 

要点

  • サウジアラビアはアメリカとの間で50年続いたペトロダラー協定を終了した。
  • サウジの石油販売は米ドルのみで可能だった。
  • サウジは、人民元、ユーロなどの他の通貨を使用できるようになった。

 

報道によると、サウジアラビアは、6月9日(日)に期限が切れた米国との50年間のオイルダラー契約を更新しないことを決定した。
1974年6月8日に調印されたこの協定は、米国の世界経済への影響力の重要な部分を占めていた。

ニクソン米大統領は1971年8月15日、ドルと金(gold)の交換停止を発表した(ニクソンショック)。1973年の石油危機後に正式に結ばれたオイルダラー協定は、サウジアラビアが石油輸出の価格を米ドルのみで設定し、余剰石油収入を米国債に投資することを強制し、その見返りとして、アメリカは王国に軍事支援と保護を提供した。

金本位制に代えて石油の取引をドルで行わせる「石油ドル本位制」を世界各国に強要すること、つまりドルを強制的に買わせることで、アメリカはドルの基軸通貨の地位を守ってきた。
今回のこの契約の終了はアメリカの敗北を意味している。

空母アイゼンハワーの敗北

アメリカが石油市場に対する支配力を失う一因にもなったのは、この事件だ。
アメリカの ”レジェンド” 空母であるアイゼンハワーは、5月31日にイエメン軍から2度攻撃を受けた後、紅海北部に向かって尻尾を巻いて逃げた。

イエメンのこの攻撃の背後にいるフーシ派反乱軍は次のようなコメントを発表した。

イエメン軍による前例のない攻撃は、海上におけるアメリカの軍事的優位性の終焉を意味し、アメリカ『帝国』の重大な地政学的没落を意味する。

アメリカの主流メディアはこの敗北の事実を隠蔽する報道を流すのに必死だ。
ドルが基軸通貨の座から滑り落ちる日が近づく ──  。

サウジアラビアと米国との50年にわたるオイルダラー協定は満了となり、新たな協定は締結されていない。
サウジアラビアは今後、石油を米ドルのみで販売するのではなく、人民元、ユーロ、円、元など複数の通貨で販売することになる。

これが意味するのは、超大国としてのアメリカの終焉だ。
この話は、あらゆるニュース番組や新聞の一面トップで取り上げられるべきだが、オイルマネーがアメリカ経済を支えていたときに話題にならなかったのと同じように、話題にさえなっていない。
世界中の国々は、オイルマネーのおかげで膨大な量の米ドルを保有している。
ロシアには米国よりも多くの100ドル紙幣がある。それはオイルダラーのせいだ。オイルダラーはすべて消え去り、米国ドルの価値は急激に下がるだろう。

 

 

(予備としての画像貼り付け)