グラフェンはやはり脳機能を変化させる

医療機器メーカーが既にグラフェン使用していた

インブレイン神経エレクトロニクス社

2019年に設立されたスペインのINBRAIN Neuroelectronics S.L.(インブレイン神経エレクトロニクス社)は、てんかんパーキンソン病などの様々な脳障害を治療するための世界初のインテリジェント・グラフェン脳インターフェースの開発に専念する医療機器企業である。2021年3月30日の同社のプレスリリースは、AIとグラフェン電極を利用した神経エレクトロニクスを使用したグラフェン・ベースの「神経調節」技術が非常に現実的であることを示している。

f:id:tantotempo:20210720140239j:plain

グラフェンは神経調整分野の重要な材料

同社は、脳の回復のための新世代の神経インターフェースを構築する目的で、既知の材料の中で最も薄い材料であるグラフェンを使用している。A.ファサーノ教授は、「グラフェンは着実に成長している神経調節の分野における次世代のエレクトロニクス療法の主柱の構成要素であり、次世代のバイオエンジニアリング材料の大きな存在だ」と述べた。この技術により人の脳を「読み取り」特定の神経学的パターンを検出し、その人の神経系を制御して脳機能を変化させることができると強調している。

グラフェン・バイオ回路はリアルタイムでアップグレードできる。モデルナの「OS」という表現を思い出せ

彼らはまた、グラフェンバイオ回路をアップグレードできるプラットフォームの一種として説明している。このより侵襲的で知的な神経電子技術は、リアルタイムでアップグレード可能で適応性のあるより安全な治療法を提供することができるという。

これは聞き覚えがある。それはmRNAの熱心なワクチンの製造者であるModernaがその技術をいつでも更新して再プログラムできる「オペレーティングシステム」と表現したそのものだからだろう。

メルクKGaA、ダルムシュタットと提携

同社の2021年7月8日のニュースリリースでは、同社がメルク KGaA、ダルムシュタットと提携して次世代のバイオエレクトロニクス治療を開発すると報じている。

 自己組織化を使ったナノ粒子回路は作成可能だった

「自己組織化」とは?

 

辞書を引くとこうある。

一見、複雑で無秩序な系において、自律的に形成される秩序だったパターン。いずれも外部からの意図的な制御なしに、基本的な物理法則に則って時間的・空間的秩序が形成され、また、維持される。ベナール対流、結晶成長、ベロウソフジャボチンスキー反応、心筋の律動、ニューラルネットワークの構築をはじめ、物理学、化学、生物学、情報科学など、幅広い分野で見いだされ、いわゆる複雑系に現れる特徴の一つに挙げられる。自発的秩序形成。(デジタル大辞泉

我々の体がもつこの自己組織化機能を使って無数の磁気性ナノシステムを作ることができる。
自己組織化を開始するために必要なエネルギーは驚くほど小さい。体外にある比較的弱い通信のための電磁波エネルギーは、最初に体内に特定の物質が注入されている場合、人体の内部でナノワイヤー(微細ワイヤー)/ナノ回路の成長を誘発する可能性がある。

下図は外部電磁波によって作られたナノ粒子格子の電子顕微鏡画像である。

f:id:tantotempo:20210721150606p:plain

また、DNAハイドロゲルも磁気的に制御可能だ。

ナノ構造物は外部の電磁波で制御できる

 

これらのナノ構造物が体内で組織化されると、外部磁場または放送/通信電波によって制御することが可能で電力はほとんど必要ない。

■■END■■