過去最多ベースの「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の原因はなに?

過去最多ベースの「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の原因はなに?

 

手や足のえ死などを引き起こし、死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の報告が、過去最多となるペースで増えている。
国立感染症研究所によると、今年に入ってから今月5日までの国内の患者数は速報値で801人で、去年の同じ時期の約3倍となっている。
去年1年間の患者数は現在の方法で統計を取り始めてから最も多い941人だったが、それを上回るペースとなっている。

東京新聞によると、病原菌は、子どもを中心に流行する「A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)」のほか、B群、C群などがある。
手足の痛みや発熱から始まり、症状が急激に進行する。数十時間以内に多臓器不全を発症する。手足の壊死を引き起こすこともあるため「人食いバクテリア」とも呼ばれる。発症のメカニズムは解明されていない。

出典:NHK

日本のメディアの記事を読んでも原因と対処方法がよくわからない。
そんななかスプートニク紙が紹介している、ロシア諸民族友好大学感染症学科のセルゲイ・ヴォズネセンスキー准教授の話が興味深い。


< ヴォズネセンスキーは、日本での流行は、新型コロナウイルスのパンデミック下で、医者にかからずに自己判断で無制限に抗生物質を摂取し、消毒薬を過剰な使用したことも、原因のひとつだとみている。

「パンデミックの間、消毒が徹底されたために、溶連菌は変異を起こした。より攻撃的になった新しい菌株が現れ、既存の薬が効かなくなった。また、日本ではパンデミック時にマスク着用、交友の制限、密を避けるなど、かなり厳しい対策がとられていた。つまり、長期間にわたり、人々はこうした細菌に接していない。その結果、防御が解除された今、他の多くの呼吸器感染因子と同様に、特定の病原体に対する免疫力が低下し、感染数が増加している。これは単に人々が感染しやすくなったからだ


ヴォズネセンスキーは溶血性レンサ球菌の発生は局地的であって、「これまでの例からすると、溶血性レンサ球菌が集団感染に発展する可能性はない」として、迅速な診断と適切な抗菌療法を行えば、流行には至らないと考えている。>