去年のノルドストリーム爆破事件は、ホワイトハウスがCIAに爆弾設置を命じていた
1年前に爆破された「ノルドストリーム」の爆破事件に関して、ピューリッツァー賞受賞記者であるシーモア・ハーシュが26日、Substackで新たな調査報道記事を投稿した。
CIAはノルウェー海軍と協力して爆弾を設置
それよると、ホワイトハウスが米中央情報局(CIA)に対し爆弾設置を命じたという。CIAの小規模な作戦グループはノルウェー海軍と協力して活動し、いつでも起爆できるよう予め準備を進めていた。
報告はジョー・バイデン大統領とCIA長官ビル・バーンズのみにあがっていた。
スウェーデンとデンマークは見て見ぬふりをした。
ずっとドイツを支配下に置こうとしているアメリカ
この作戦についてドイツのオラフ・ショルツ首相は知っていた。というのも、バイデンはノルトストリーム2を爆破するというとんでもない脅しを、ショルツが彼の隣に立っているときに行ったからだ。このことはハーシュは今年の3月に早々と記事を投稿している。
「ロシアの2つのパイプラインの破壊は、ウクライナ戦争とは無関係でだった」 ── なるほど、プーチンは、彼が望んでいたウクライナの4つの州の併合を進めていた。しかし、この作戦は、冬が近づいて来てショルツとドイツが冷静になってしまって、停止しているノルド・ストリーム2を開通させることがないようにするためのネオコン(ビクトリア・ヌーランド、ジェイク・サリバンら)の政治的アジェンダの一部だった。
「ホワイトハウスが恐れていたのは、プーチンがドイツを支配下に置き、ポーランドを手に入れることだった」。
アメリカは前々からずっとヨーロッパ一の経済大国ドイツを支配下におこうと努めてきた。
ハーシュは米国の動機について、ウクライナ紛争の勝利や停戦とは関係がなく、ノルドストリームの参加者であったドイツをロシア産ガスから引き離すという政治的な意図があったと考察している。
メルケルのときはEUは「ナチス第4帝国」と揶揄された。ドイツを抑え込んでしまえばアメリカに逆らうヨーロッパの国はなくなる。たしかにショルツはアメリカの期待に応えた。その結果、ヨーロッパは高いアメリカ産の天然ガスを買わされることになった。
フランスの急速な衰退
特に、ウクライナ戦争に深く関わりすぎ、エネルギー価格高騰で苦しんでいるフランスの国力は急速に衰退している。ニジェールらのアフリカの旧フランス植民地が実質的なフランスからの「独立」を達成しようとしている。フランスにはこの動きを抑え込む力がもうない。
だが、一方で、自国でモノを生産できるロシアには経済制裁は効かず、アメリカはいま債券金利の高騰で絶壁の淵に追い込まれつつある。
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