CIAダイバーが「ノルド・ストリーム」を爆破した。

 

CIAダイバーが「ノルド・ストリーム」を爆破した。

ロシア原油の欧州供給用パイプライン「ノルド・ストリーム」の爆破の原因について、米国の調査報道記者のシーモア・ハーシュは、2022年夏のNATO軍事演習「バルトップス」に参加した複数の米国人ダイバーらが「ノルド・ストリーム」の下部に爆破装置を設置し、それを3か月後にノルウェーが作動させたために起きたとする記事を発表した。

How America Took Out The Nord Stream Pipeline.

"The New York Times called it a “mystery,” but the United States executed a covert sea operation that was kept secret—until now."
How America Took Out The Nord Stream Pipeline (substack.com)

バルト海のノルドストリーム水中ガスパイプラインの爆撃は、ホワイトハウスによって命じられ、CIAによって実行された秘密作戦(BlackOps)であったとこのベテラン調査ジャーナリストによる報告は主張している。

「昨年の夏、米海軍のダイバーらは、NATOの演習『バルトップス22』に参加し、これを隠れ蓑にして、遠隔操作による爆発物を仕掛けた。そして、3ヵ月後、ノルド・ストリームの4本あるパイプラインのうち3本が破壊された。」

爆発物は、9月のノルウェー海軍軍用機による水中音響ブイ投下で作動した。

彼によると、フロリダ州パナマシティにある世界最大の潜水施設、米海軍のダイビング・サルベージセンターの深海ダイバーがパイプラインの脇にC4爆薬を仕掛け、後に飛行機が落としたソナーブイで作動させたというのだ。

ハーシュは、2022年9月26日、ノルウェー海軍のP8偵察機が「一見、日常的な飛行」を行い、ソナーブイを放出したと主張している。「信号は水中で広がり、最初はノルドストリーム2に、そしてノルドストリーム1にも広がった」と書いている。「数時間後、高出力C4爆薬が作動し、4本のパイプラインのうち3本が使用不能になった。数分後には、停止したパイプラインに残っていたメタンガスのプールが水面に広がっているのが見え、世界は取り返しのつかないことが起こったことを知ったのだ」と書いている。

バイデン政権の9カ月以上の秘密協議の末の決定だった。


ハーシュは、バイデン米大統領が国家安全保障チームと9カ月以上にわたって秘密裏に協議し、ノルド・ストリーム破壊工作の決定を下したことを明らかにした。また「ノルド・ストリーム」破壊工作にはサリバン米大統領補佐官・国家安全保障担当が関与していたと断言している。

爆破の理由は、ドイツがガスを手に入れればウクライナへ消極的になると考えたから。


同氏は、米国が「ノルド・ストリーム」を爆破した原因については、ドイツが同パイプラインの開通でロシア産ガスを得てエネルギー供給を安定化させた場合、ウクライナへの支援調達をしたがらなくなるとホワイトハウスが懸念したためだと指摘している。

アメリカとイギリスの駒として使われる一方で弱体化も進められ、電力削減や燃料不足、超インフレに襲われているドイツやフランス、ポーランドなどの国々の国民は、このニュースをどう聞いているのだろうか。