偽造医薬品が世界的に増加中
医薬品セキュリティ研究所のデータに よると、偽造医薬品は増加傾向にある。
StatistaのAnna Fleckが以下のグラフで示すように、2021年に同NPOが記録した医薬品犯罪事件は約6000件で、前年比38%増、20年前の記録開始以来ピークとなる数字だ。
偽造医薬品押収の地理的分布を見ると、
- 北米(2,442件)
- 次いでアジア太平洋(1,747件)
- 中南米(770件)
- 近東(705件)
- ユーラシア(646件)
- ヨーロッパ(374件)
- アフリカ(187件)
となっている。
この順位は、これらの地域の国々が、法執行活動や医薬品規制機関による検査を通じて、医薬品犯罪を効果的に特定していることが大きな要因となっている。PSIが指摘するように、法執行の優先順位が競合していたり、資金が不足していたり、規制体制が不十分であったりすると、偽造医薬品が発見されないことがある。
世界保健機関(WHO)によると、低・中所得国で流通している医療用医薬品の約10%が規格外品や偽造品であるとされている。サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、この割合はさらに高く、19~50%に近いと言われている。このことから、偽造医薬品が発見されず、報告もされていないケースが多いことを考えると、実際の製造・流通件数はこのグラフよりもはるかに多い可能性がある。
偽薬や不良品が急増した理由の一つに、オンライン薬局の増加が挙げられている。
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