「ジョンソン首相辞任の意味」と安倍元首相暗殺事件について ── 田中宇氏の見立て

 

 

「ジョンソン首相辞任の意味」  ──  田中宇氏の見立て

 

田中宇氏の「国際ニュース解説」は8日、新しい記事をupした。田中氏はこの記事の中で、今日の安倍晋三元首相の刺客を放ったものについても言及している。

英ジョンソン首相辞任の意味 (tanakanews.com)

ジョンソン辞任の理由は、米国と結託してG7を率いて中露を敵視した戦略の大失敗が確定したからだ。

 

<保守党の議員団がジョンソンを支持しなくなった理由は、周辺の性的スキャンダルや宴会騒動など倫理的な不祥事の連続だとされている。だが私が見るところ、真の理由はそうでない。保守党がジョンソンを辞任させねばならなかった真の最大の理由は、ジョンソンが米国と結託し、G7を率いてロシアや中国を敵視している戦略の大失敗が確定し、このままだとロシアなど非米諸国から米国側への経済的な報復によって、英国を含む米国側の全体が、エネルギー穀物など資源類の高騰と不足によって経済破綻しかねないからだ。 >

英国は米諜報界のネオコン勢力と結託してウクライナのネオナチ政権をテコ入れしてきた。

<ジョンソンの英国は、米諜報界のネオコン勢力と結託し、ウクライナの反露な極右政権をテコ入れし、露中を敵視し、NATOやG7の諸国を引きつれて新冷戦の世界体制を作ろうと画策してきた。これは、英国の最上層部に当たる諜報界の世界戦略だ。ジョンソンは、それを遂行するために首相をしていた。米諜報界が英諜報界を乗っ取って、ジョンソンに露中敵視策をやらせていたと言っても良い。英国の自滅策となったEU離脱も、米諜報界が英国を乗っ取ってやらせたことだ。ジョンソンは、EU離脱を強硬に進めてきた政治家でもある。英保守党には、英国が米諜報界に乗っ取られて自滅させられていくことを阻止したいナショナリストがけっこういて、彼らは以前からジョンソンを敵視していた。>

英国は既に敗北している。

 

ウクライナ戦争はロシアの勝ちで決着がついている(ポーランドベラルーシを攻撃して戦線が拡大する可能性はある)。ゼレンスキー政権のロシア敵視策の黒幕をやっていた英国は敗北が確定している。米英はG7を率いて、ロシアが米国側に輸出する石油価格を1バレル60ドルぐらいまで引き下げる策略を決めつつある(日本はG7でこの策のお先棒担ぎを率先してやっている)。だが、これは逆に石油価格を高騰させてしまう。G7の石油引き下げ策への報復としてロシアは今後、サウジアラビアなど非米側の産油諸国と結託して米国側に輸出する石油を止めたり値上げしたりする動きを誘発するので、石油は逆に1バレル200-400ドルに高騰してしまうと予測されている。今後の石油高騰は不可避だ。ロシアなど金資源本位制の非米側が台頭し、英国など金融バブル(ドル)本位制の米国側が弱体化していく。>

プーチンと和解するため動き出そうとしていた安倍元首相に、米諜報界が刺客を送りこんだのか。

<日本は今後、サハリンからガスを輸入できなくなり、輸入する石油の価格も高騰させられる。日本国民の生活は窮地に陥る。プーチンと親しい自民党安倍晋三・元首相がロシアに行ってプーチンと話をして和解していくしかない。私は最近の記事でそう書いた。 (日米欧の負けが込むロシア敵視)

そういう流れで、もしかすると安倍晋三は動き出そうとしていたのかもしれない。その安倍の動きを阻止するため、米諜報界が死客(原文ママ)を奈良に放ち、7月8日に演説中の安倍を銃撃したのでないか。日本がロシアと話をつけて石油ガスを輸入し続ける道は絶たれつつある。田中角栄も、小沢一郎も、そして今回の安倍晋三も、米国(軍産、ネオコン)の無茶苦茶な戦略から日本を守ろうとした政治家はみんなやられる。残された自民党の岸田や林は、ますます米ネオコンの言いなりになってロシア敵視を強め、非米側から日本への石油ガスの安定的な供給が失われていく。日本のマスコミや権威筋は、安倍が撃たれた理由についての深いことすら国民に伝えないだろう。左翼リベラルの野党や知識人たちの間抜けなロシア中国敵視も続く。日本の人々は、わけもわからず生活苦に陥れられる。ボリス・ジョンソンは辞めてもピンピンしているが、安倍晋三は撃たれてしまった。これでいいのか??。馬鹿げている。>

なぜSPは制止しなかったのか?毎日新聞

「なぜ制止しなかったのか」
 <「安倍さんの背後にも警察官が配置されていたのに、なぜ制止しなかったのか」。安倍元首相と並んで立っていた奈良県議の一人はこう憤る。
現場にいた記者らによると、山上徹也容疑者(41)=殺人未遂容疑で逮捕=は車道を横切って背後から安倍元首相に接近。数メートルほどの距離で銃を構えて発砲した。さらに数秒後、2発目を撃ったとされる。>

現場の位置関係(カンテレ)

www.youtube.com

 


<今回の警備では、奈良県警の警察官と警視庁のSPが対応に当たった。しかし、銃を構えた山上容疑者の姿に、SPらが瞬時に反応する様子は確認されていない。

「演説の映像を見た限り、制服警察官が少なく、不審者が近寄れるスペースが広く空いていたように見える。通常なら考えにくい」。警備経験が豊富な現職の警察幹部は漏らした。>

 <安倍元首相は四方を道路とガードレールに囲まれた分離帯のような場所で演説していた。道路の中央部分であり、演説中、安倍元首相の後方を何台もの車が通過している。>
<また、1発目と2発目の発砲の間、SPらが安倍元首相を避難させたり、さらなる銃撃を防ごうとしたりしなかったとの指摘もある。ある県議は「警察官はその間、安倍さんを守ろうとする動きをしなかった。当時の警護状況をしっかりと検証すべきだ」と強調した。>

 

SPいたのになぜ 安倍晋三元首相の銃撃 首かしげる警察幹部 | 毎日新聞

 

参考:西側が知らないロシアの最新軍事技術があるのか?

 

英国は敗北したように見える。
その裏には、田中氏が述べていることだけではない原因があるようだ。
ロシアは4月に、新型の超音速大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験を行い成功した。今までのミサイルはいわば慣性の法則で飛んでいくが、サルマトは途中で何度も軌道を変えることができる。また、サルマトは南極を回ってアメリカに到達する。南極を回って飛来するミサイルへの防護システムはない。
ロシア戦略ロケット軍のセルゲイ・カラカエフ司令官は、今後数十年で「サルマト」を迎撃可能な兵器が登場することはない、と豪語している。
このサルマトだけではなくロシアには西側が知らない未知の軍事技術があるようで、カリーニングラードの危機の時にその技術の一つが稼働したために、一時的ではあるが原罪のようなロシアから同地への貨物輸送が再び可能になったという情報がある。