ウクライナ軍は敗北した。あとは掃討戦のみ(上)

 

ウクライナ軍は敗北し、あとは掃討戦のみだ(上)

 

CIAと国務省のテロ対策室に勤務したラリー・C・ジョンソンは、ウクライナ軍は敗退しあとは「掃討作戦」だけだと主張する。米軍の特殊作戦部隊に24年間訓練を提供したベテランはマイク・ホイットニーと対談し、その理由を説明した。
マイク・ホイットニーによるインタビュー

 

略歴 ーラリー・C・ジョンソンは、CIAと国務省テロ対策局のベテラン。彼は1998年に設立されたBERG Associatesの創設者兼マネージングパートナーだ。ラリーは24年間、米軍の特殊作戦コミュニティに訓練を提供してきた。

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ワシントンには絶望的な雰囲気が漂っている。

質問1 ウクライナでの戦争でロシアが勝っていると思う理由を説明してください。

ラリー・C・ジョンソン ロシア軍のウクライナでの作戦開始後24時間以内に、ウクライナの地上レーダー迎撃能力はすべて一掃された。レーダーがなければ、ウクライナ空軍は空対空迎撃の能力を失う。この3週間の間に、ロシアはウクライナ上空に事実上の飛行禁止区域を設定した。米国とNATOウクライナに提供した肩撃ちの地対空ミサイルにとってはそれはまだ脆弱だが、ロシアが戦闘航空作戦を抑制しなければならなかったという証拠はない。

またロシアが、侵攻後3日でキエフに到着したことも目を引きつけられた。ナチスのバルバロッサ作戦ではキエフに到着するのに7週間、制圧するのにさらに7週間を要したことを思い出した。ナチスは民間人の犠牲を避けるために手段を選ばず、重要なインフラを破壊することに躍起になっていた。しかし、いわゆるアメリカの軍事専門家の多くはロシアは泥沼にはまったと主張した。24マイル(または別のニュース源では40マイル)に渡るロシア兵士の隊列がキエフの北に1週間以上配置されたとき、ウクライナの重要な軍事作戦を行う能力が消滅したことは明らかであった。もし彼らの大砲が無傷なら、その列は大規模な破壊のための容易なピッキング対象であった。しかし、そうはならなかったではないか。あるいは、もしウクライナに実行可能な固定翼や回転翼の能力があれば、空からあの隊列を破壊できたはずだ。しかし、それは実現しなかった。あるいは、もし彼らが実行可能な巡航ミサイルの能力を持っていれば、停滞したはずのロシアの隊列に地獄の雨を降らせるべきであったはずだ。しかし、それは実現しなかった。ウクライナ軍は新しく供給された米国のジャベリンを使って、隊列に対して重要な歩兵の待ち伏せを行うことさえしなかった。

ロシアの攻撃の規模と範囲には目を見張るものがある。彼らは3週間で、イギリスの国土を上回る領土を獲得した。そして、主要都市や軍事施設に狙いを定めて攻撃を開始した。ウクライナの連隊や旅団規模の部隊が、同等のロシア軍部隊を攻撃して打ち破った例は一度もない。その代わりにロシア軍はウクライナ軍を断片的に分割し、通信網を遮断した。ロシア軍はマリウポリの支配を強化し、黒海のすべてのアプローチを確保した。ウクライナは南と北で分断されている。

2003年のイラク戦争では、米国は、はるかに劣る能力の低い軍隊と戦いながら、これだけの領土を獲得するのは困難だったということに注意してほしい。むしろ、このロシアの作戦は米国の軍と政治の指導者を根底から脅かすものだ。

今週、本当に大きなニュースとなったのは、ヤヴォリブとジトーミルの事実上のNATO基地である場所へのロシアのミサイル攻撃だ。NATOは2018年9月にジトーミルでサイバーセキュリティの訓練を行い、ウクライナを "NATOパートナー "と表現した。ジトーミルは土曜日にハイパーソニック・ミサイルで破壊された。ヤヴォリブは先週の日曜日に同様の運命をたどった。それは、NATOアメリカ欧州軍(EUCOM)がウクライナに戦闘機と武器を供給するために使用した主要な訓練/兵站センターだった。その基地にいた多くの軍人と民間人が犠牲となった。

ロシアは2015年から定期的にNATOが使用する基地を攻撃し破壊しているだけでなく、空襲警報もなく、攻撃ミサイルの停止もなかったのだ。

 

質問2 なぜメディアは、ウクライナ人々がロシアとの戦争で勝つことができると説得しようとしているのでしょうか。

もしあなたの言うことが正しければ、ロシア軍と戦うために送り込まれたすべての民間人は、勝てない戦争で死んでいることになります。なぜメディアは、こんな重大なことで人々を惑わそうとするのか理解できません。この問題についてどうお考えですか?

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ラリー・C・ジョンソン これは無知と怠惰の組み合わせだ。本当の報道をするのではなく、大多数のメディア(紙媒体、電子媒体)とビッグテックが大規模なプロパガンダ・キャンペーンを支持しているのだ。
ジョージ・W・ブッシュヒトラーだったときのことを思い出す。ドナルド・トランプヒトラーだったことを思い出す。そして今、私たちには新しいヒトラー、ウラジミール・プーチンがいるというわけだ。
これは飽き飽きする、失敗した脚本だ。正当な疑問を呈する勇気のある人は誰でも、すぐにプーチンの操り人形かロシアの手先と決めつけられる。事実を議論することができないとき、人が唯一頼りにするものは非難するとだ。

バイデン政権には賢明な人はいない。ドルの国際基軸通貨としての役割が終わりかけている。


質問3 ロシアをウクライナ戦争に追い込んだ本当の目的は「政権交代」だったのか?

先週、ダグラス・マクレガー大佐がタッカー・カールソン・ショー(Fox News)にゲスト出演していました。彼の戦争に対する考え方は、あなたと驚くほど似ています。以下は、彼がインタビューの中で語ったことです。

ウクライナにとって戦争は本当に終わってしまった。主要メディアから何を聞かされようが、ウクライナ人は粉々になってしまったのだ。現段階での我々の真の疑問は、タッカー、ロシア国民やロシア政府と共存していくのか、それともウクライナ戦争を装った政権交代を追求し続けるのかということだ。ウクライナをモスクワへの攻撃材料として利用するのをやめるのかということだ。それは事実上、われわれがやってきたことなのだが。タッカー・カールソンーマクレガー・インタビュー

ロシアをウクライナ戦争に追い込んだ本当の目的は「政権交代」だったというマクレガー氏の意見に賛成ですか?もう一つ、あなたは、ウクライナは米国がロシアに対する代理戦争を行うための中継地として利用されているということに同意しますか?

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ラリー・C・ジョンソン ダグは素晴らしいアナリストだが私は彼の意見に反対だ。バイデン政権にはこのような戦略的な観点から考え、計画を立てられるほど賢い人はいないと思う。私の考えでは、この7年間は、NATOの現状維持のための惰性的なものだった。つまり、NATOとワシントンは、なんの反応も起こさずにロシアの国境を東に這い進み続けることができると考えていた、ということだ。NATOとEUCOMは、「攻撃的」訓練を含む演習を定期的に実施し装備を供給していた。CIAがドンバスで活動するウクライナ人部隊に準軍事的な訓練を行っていたという米国内の報告は、信頼に足るものだと私は思う。しかし、イラクアフガニスタンで大失敗した後、突然、孫子レベルの戦略家がワシントンで糸を引いているなどということは信じがたい。

ワシントンには絶望的な空気が漂っている。バイデン政権は、ロシアのあらゆるものを禁止しようとしているほかに、中国、インド、サウジアラビアをいじめようとしている。私はこれらの国のうち、どの国もアメリカと足並みを揃えるとは思えない。バイデン一味はロシアのあらゆるもの、あらゆる人々を悪魔化しようとして、致命的なミスを犯したと私は思っている。むしろ、プーチンの後ろにいるロシア国民は団結していて、彼らは長い闘争のために本腰を入れる準備ができているのだ。

ロシアへの経済制裁で屈服させられると思ったのが誤算で、ショックを受けている。事態はまさにその逆だ。ロシアは自給自足で、輸入に頼っているわけではない。その輸出は西側諸国の経済的繁栄に不可欠だ。小麦、カリ、ガス、石油、パラジウム、完成品ニッケルなどの主要鉱物を欧米に差し止めたら、欧米経済は壊滅的な打撃を受けるだろう。そしてこの制裁によるロシアへの強要の試みは、今や米ドルの国際基軸通貨としての役割が歴史のごみ箱に姿を消す可能性を非常に高くしている。

 

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出典:cia: Veteran CIA analyst claims Ukraine military suffered major losses in war - The Economic Times (indiatimes.com)