カザフスタン、内乱を鎮圧 。

 

カザフスタン、内乱を鎮圧 ── カバールの敗北。

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トカエフ大統領

カザフスタンのトカエフ大統領は1月7日(金)、首都アルマトイでは6回のテロ攻撃があり、テロリストの総数は約2万人だったと語った。

 

1月2日、カザフスタンの複数の都市で抗議行動が起こり、数日後に多くの都市で政府の建物が襲撃され、大規模な暴動が起こった。数千人が負傷し、死亡者も報告されている。

 

下記のタス通信の報道によると、抗議者といわれていたものたちは実はギャングややテロリストであり、特別な場所で非常によく訓練され、組織され、指揮されており、中にはカザフスタン以外の言語を話していた人もいたという。アルマトイでは少なくとも6回のテロリストの攻撃の波があり、その総額は2万人だった。

At least six waves of terrorists’ attacks reported in Almaty - President Tokayev - World - TASS

大統領は、状況を分析の結果、カザフスタンは国外で訓練を受けた加害者やテロ集団によって十二分に用意され、調整された武装侵略行為に直面していることを示した、と強調。大統領はまた、集団安全保障機構(CSTO)加盟国(ロシア、アルメニアベラルーシカザフスタンキルギスタジキスタンの6カ国が加盟)で構成される平和維持部隊が配備されているが、カザフスタン情勢の安定化まではもう少し時間が必要だと述べた。

時事もデモ鎮圧を報道。

 

1月8日には時事通信もデモの鎮圧を報道した。

ロシア大統領府は8日、プーチン氏とトカエフ氏が電話会談したと発表した。トカエフ氏は現状を詳細に伝え、事態は「安定に向かっている」と説明。ロシアの支援に感謝した。

カザフ大統領、中ロに謝意 デモ鎮圧、権威主義陣営へ:時事ドットコム

国家安全保障委員会議長と副議長を解任したが、彼らは国家反逆罪の疑いで拘束されている。

 

国家安全保障委員会議長カリム・マシモフに続いて、副議長を務めていた2人も解任され、現在、国家反逆罪の疑いで拘束されている。

カザフ大統領、治安機関高官をさらに解任 当局「状況安定化」 | Article [AMP] | Reuters

 

委員長のカリム・マシモフは元首相であり、バイデン親子と親交があった。

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バイデン親子とマシモフ(右)

ことの本質を見ている数少ない欧米側の人間ーボルトン

 

西側で今回のこの件の重要なポイントに気がついている数少ない一人がトランプの大統領補佐官だったジョン・ボルトンだ。

ボルトンはウォールストリート・ジャーナルでこう述べている。

ロシア政府が、国境を接する専制国家の混乱を歓迎していないことは間違いない。

 しかし、今回の出来事がプーチン氏にとって好機にもなり得ることに気付かないのであれば、それは西側諸国にとって大きな過ちであり、危険な可能性もある。旧ソ連の国境線内でロシアの覇権を再確立するという彼の戦略は、執拗かつ機敏なものだ。そしてカザフの混乱は、彼に大きな可能性を与えている。(中略)

CSTOによるメンバー国への部隊派遣は今回が初めてであり、国外から攻撃を受

けた際の防衛のみを想定した同機構の規約に反している。最初に派遣された
2500人の部隊のほとんどはロシア人で占められており、トカエフ氏は「警告な
しに射殺せよ」との命令を下している。

昨年、ウクライナの国境付近にロシア軍が集結する中、ウクライナのウォロディ
ミル・ゼレンスキー大統領は繰り返し、ロシア政府や親ロシアのオリガルヒ(
新興財閥)が画策したクーデターが首都キエフで起きる可能性があると警告し
た。ゼレンスキー氏の主張は、米当局者から懐疑的に受け止められ、その真偽
はカザフの状況と同様、はっきりとしないままだ。しかし、そのようなクーデ
ターをめぐる動きや見込みがどうであれ、ウクライナに親ロシア派の新政府が
できれば、CSTO部隊を直ちに招請する可能性がある。

ピンチになれば、外部からの介入を求める「暫定的な」政府の要請でさえ、正
当化の口実を与える可能性がある。

ベラルーシカザフスタンは、完全にロシアに再統合されてもおかしくない国
の主要候補だ。ロシア政府は既に公然とウクライナからクリミアを併合したほ
か、ドンバス地方の事実上の支配を実現した。

 

ウクライナ情勢に影響。

 

ボルトンの指摘にあるように、カザフスタンのこの内乱(ナザルバエフ前大統領派とトカエフ大統領派の権力争い)は、目下ロシアを攻撃すれば第三次世界大戦の危機になると危惧されているウクライナ(ゼレンスキー大統領、元コメディアン)情勢と密接に関係している。

 

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Google Mapより

一方で、国連常任理事国の5か国が核戦争回避と核兵器縮小で合意した。

 

2022年1月4日、NHKはこうのように報じた。

アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの5か国は3日、核戦争や軍拡競争を防ぐための共同声明を発表しました。

この中で5か国は、「核兵器保有国どうしの戦争の回避と、戦略的なリスクの軽減が最も重要な責務だとみなしている」としたうえで「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」と強調しました。

核保有5か国「核戦争に勝者なし」声明 核戦争回避と軍縮を強調 | 核兵器禁止条約 | NHKニュース

 

アメリカが直接ロシアに手を下すことはなくなったが…。

 

これはロシアのプーチン大統領がイニシアティブを取ってまとめたもので、中国がこうした軍縮の国際的な合意に参加したのも初めてである。さらにいえば、それに米英仏が合意したということに注意を向けなければいけない。

少なくともアメリカのバイデン政権が直接ロシアに対して兵力を行使するということはないということだ。世界の注目はウクライナのゼレンスキー政権の動向に絞られた。

とともに、CSTOの見事な結束はいわば「新ロシア連邦」の誕生があるのではないかと思わせる。