The Real Anthony Fauci ── 「第1章 パンデミックの誤った管理 ⅲ イベルメクチン」

 

The Real Anthony Fauci 要約その1 イベルメクチン

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この記事はThe Real Anthony Fauciを部分的に翻訳したものです。

ⅲ イベルメクチン

本の順番と異なりますが、本ブログではまず最初にこの「ⅲ イベルメクチン」から翻訳してリリースします。

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FDAはイベルメクチンを安全かつ友好と承認し、WHOは「必須医薬品」に加えた。

 

2020年の夏までに、第一線の医師たちはその驚異的な救命効果において ヒドロキシクロロキンに匹敵する別のCOVID治療薬を発見していた。

2015年、メルク社の2人の科学者が回虫、鉤虫、河川盲目症、リンパ系フィラリア症などの幅広いヒトの寄生虫に対して前例のない威力を発揮するイベルメクチン(IVM)の開発でノーベル賞を受賞した。FDA1996年にこのIVMをヒトへの使用が安全かつ有効であると承認した。
WHOはヒドロキシクロロキンとともにIVMを「必須医薬品」のリストに加えている。このリストは、必要性、安全性、有効性、手頃な価格を備えた医薬品のリストであり、WHOは「国民の優先的な医療ニーズを満たすために」IVMの入手が不可欠であると判断している。WHOは、寄生虫感染の可能性がある人々を治療するために、すべての人にイベルメクチンを投与することを推奨している。何百万人もの人々が抗寄生虫剤として何十億回もIVMを服用してきたが、副作用はほとんどない。イベルメクチンの添付文書によると、少なくともタイレノールアスピリンなどの一般的な市販薬と同程度の安全性があるとされている。

日本の北里研究所の研究者たちは 2011年にIVMについて、他の薬にはほとんど使われない用語で説明した論文を発表した。

「ワンダーメディスン 」と呼ばれるような薬はほとんどなく、ペニシリンアスピリンが人類の健康と幸福に最も大きな影響を与えてきた。しかし、イベルメクチンは、その汎用性と安全性、そして世界中で、特に世界の最貧層の何億人もの人々に有益な影響を与えてきたことから、これらの有力な候補者と並んで検討されるべきものである。

世銀、WHO、カーターセンターもイベルメクチンを称える。

 

カーターセンター、世界銀行本部、世界保健機関本部の3つの銅像が、イベルメクチンの開発を称えている。
なぜなら、2012年以降複数の試験管内試験研究により、IVMが様々なウイルスの複製を阻害することが実証されているからである。ネイチャー誌は2020年に50年にわたる研究を総括し、IVMは「一部のウイルスを含む微生物に高い効果がある」とし、動物実験では「ジカ熱、デング熱、黄熱病、ウエストナイルなどのウイルスにイベルメクチンは抗ウイルス効果がある」という結果を報告している。

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WHO本部正面玄関の向にある河川盲目症撲滅の像ー盲目の父親を棒で導くアフリカの少年

イベルメクチンは48時間で細胞内のSARS-COV-2を除去する。

2020年4月3日、オーストラリアのモナシュ、メルボルン大学、ロイヤルメルボルン病院の研究者が発表した「抗寄生虫薬のイベルメクチンが48時間で細胞内のSARS-CoV-2を除去することを実験で確認」という記事は、COVIDの治療薬としてIVMが世界的に注目される契機となった。この安全で安価でよく知られた、すぐに手に入る薬がSARS-CoV-2を破壊したとマスコミは絶賛した。


 この研究に基づいて、当時COVIDの大パンデミックで四面楚歌になっていたペルーは、2020年5月8日、イベルメクチンを国家ガイドラインに採用した。
「ペルーの医師たちはすでにイベルメクチンを知っていて、寄生虫に広く処方していたし、保健当局もイベルメクチンが安全であることを知っていて、安心して使っていました」とピエール・コリー博士は振り返る。ペルー政府がイベルメクチンを効果的に配布した地域では、COVIDによる死亡者数が14分の1と急激に減少した。死亡数の減少は25の州すべてでIVMが配布された範囲と相関していた。2020年12月、ペルーの新大統領がWHOからの圧力を受けてIVMの配布を大幅に制限したため、COVIDの感染者数は元に戻り死亡者数は13倍に増加した。

予防研究において、イベルメクチンはCOVIDに対してワクチンよりもはるかに高い効果を、しかもわずかなコストで、繰り返し証明した。

(中略)

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イベルメクチンはすべての変異株に効く。

さらに 2021年の研究では、IVMの重要な生物学的メカニズムであるSARS-CoV-2スパイクタンパク質との競合的結合は、どのコロナウイルスの変異株にも特異的ではなく、したがってワクチンとは異なり、イベルメクチンはおそらく将来のすべての変異株に対して有効であることが示唆された。
2020年3月1日には早くも、ICU(集中治療室)やER(緊急救命室)の第一線で活躍する医師の中には、初期治療のプロトコルで ヒドロキシクロロキンと組み合わせてイベルメクチンを使用する者が現れた。マイアミで働くベルギー人医師のジャン・ジャック・ラジター博士12は3月15日にこの薬を使い始めてすぐに、回復者の増加を確認した。彼は6月9日に優れた論文を発表している。一方、バングラデシュでイベルメクチンを使用している2人の西洋人医師も、病状が悪化した患者であっても非常に高い確率で回復したと報告している。

高齢者にも効く。

COVID-19の死亡率が高かったのはCOVID-19の後期高齢者の患者であった。しかし後期高齢者であってもほぼすべての研究で、劇的とはいえないものの効果が認められている。マカロー博士らによる2020年のレビューによると「査読された無作為化比較試験を含む数多くの臨床研究で高齢者の予防、早期治療、そして疾患管理においてイベルメクチンの大きな効果が示されました。現在、世界中で行われている何十もの臨床試験は、臨床効果を確実に評価し、許容可能な安全性を伴った有益性のシグナルを推論するのに十分なものです」。

2021年1月初旬、バージニア州の7つの老人ホームで前年の春から 191人の感染者を治療してきた高齢者専門医のデビッド・チェスラー博士はファウチに手紙を出し、イベルメクチンを使用して8%の死亡率 ── これは米国の老人介護施設の平均死亡率の実に半分(14万6千人)である ── を達成したと主張した。チェスラー博士はDr.ファウチへの手紙で、他の国で同様の効果があったと報告されている査読済みのケーススタディを添付している。しかし、ファウチもNIAIDの他の誰もチェスラー博士の手紙に返信しなかった。

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ピーター・マカロー博士

イベルメクチンはインフルエンザ等のウイルスの複製を阻止する。

研究によると、イベルメクチンは20もの異なるメカニズムで作用すると考えられている。その中でも、イベルメクチンは「イオノフォア(注:細胞などの生体膜に作用し、特定のイオンを選択的に透過させるはたらきをもつ、脂溶性の低分子化合物の総称)」として機能し、ウイルスの複製を阻害する亜鉛の細胞内への移動を促進する。イベルメクチンは、このようなメカニズムやその他のメカニズムによって、COVID-19や季節性インフルエンザをはじめとする多くのウイルスの複製を阻止する。

(中略)

またこの薬は複数の経路で炎症を抑え、それによって臓器の損傷を防ぐ。そしてイベルメクチンは、スパイクタンパク質がヒトの細胞膜上のACE2受容体に結合する能力を損ななわせウイルスの侵入を防ぐ。さらに、スパイクタンパクに結合することで血栓を防ぐとともに、スパイクタンパクが赤血球上のCD147に結合することで血栓を誘発することも抑止する。曝露前にIVMを服用することで感染を防ぎ、その後は他人への感染も食い止め、地域全体を守ることができるのである。

イベルメクチンは平均して86%の有害事象を予防した。

2021年3月、ピーター・マカローをはじめとする複数の国の第一線で活躍する医師57名による研究結果が発表され、「我々の早期外来治療レジメンは、入院および死亡を推定87.6%および74.9%減少させることに関連していた」ことが明らかになった。
他の多くの研究もマカロー博士の結果を支持している。2021年1月にNIH COVID-19治療ガイドラインパネルで発表されたメタ分析によると、18件の試験に基づく死亡率の平均低下率は75%である。WHOが主催した11件の試験のメタレビュー21でも同様に、イベルメクチンがCOVID-19の死亡率を83%も減少させることが示唆されている。

下図はCOVID予防としてのイベルメクチンの研究をまとめたものである。予防的に使用した場合、イベルメクチンは平均して86%の有害事象を予防した。つまり、これはCOVID予防でイベルメクチンを使用した人の7人に6人を保護したことになる。

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FLCCC(注:「最前線の新型コロナのクリティカル治療同盟」といった意味の組織名)の会長兼最高医学責任者であるピエール・コーリー博士は、「IVMにより、入院をほぼ90%、死亡をほぼ75%減らすことができる」と証言している。コーリー博士は、マカロー博士、フロリダ州のジョー・ラポド外科医長、ポール・マリク教授、ジョセフ・バロン博士、mRNAワクチンの発明者であるロバート・マローン博士など、第一線で活躍する多数の医師の一人であり、イベルメクチンによる早期治療により75%~80%の死亡を回避でき、我が国の資産を1兆円も節約できたと考えている。
「COVIDの結果、アメリカでは約600万人の入院と70万人以上の死亡が発生した 」とコーリー博士はいう。

もし ヒドロキシクロロキンとIVMが組織的に抑制される代わりに広く使用されていたら、75%、つまり少なくとも50万人の死亡と、80%、つまり480万人の入院を防ぐことができたであろう。また、各州に数千億円の負担をかけることもなかったであろう。

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FLCCCのコーリー博士。

イベルメクチンに否定的な勧告をしていたNIHの治療ガイドラインパネルは「賛成でも反対でもない」と態度を変えた。

FLCCCの発表から10日後の1月14日、NIHのCOVID-19治療ガイドラインパネルは、イベルメクチンに関して医師に否定的な勧告をしていたが、この勧告を「賛成でも反対でもない」と変更し、医師がIVMを治療の選択肢として使用する道を少しだけ開いた。これは、NIHの委員がモノクローナル抗体血漿療法に対して行った中立的な推奨と同じである。モノクローナル抗体は入院を防ぐ効果があったが、血漿は「全米のほとんどのアカデミック・メディカル・センターで愛用されていたが、多くの臨床試験で効果を示すことができなかった」とコーリー博士は述べている。

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NIH所長だったフランシス・コリン

<以降の本文は省略します。>

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f:id:tantotempo:20211126120501j:plain 本書の「第1章 ⅳ ヒドロキシクロロキン」の要約へはこちらから。



*下線や太字等は翻訳者によるものです。
**「注」とあるのは翻訳者による注記です。
***本ブログに掲載した写真は本書とは関係ありません。